春の宵 鳥の刺身に土味のある徳利で一杯。 上原酒造『不老泉』 信楽『秋田かしわ店』
今年の春は本当に過ごしやすい。
花見の頃もとても暖かかったし天気も良い。
何より昼間にストーブが要らないのは
非常にありがたい。
器 苔椀(粉引)
玄関前においてある鉢植えの花も
心地よい春を感じさせてくれます。
「今年の春は過ごしやすいなぁぁぁ。」
といっていてもさすがに寒の戻りは少しはやってくる。
「ちょっと肌寒いなぁぁぁ。」
そんな春の宵に近江の地酒で一杯やるのは
何とも嬉しいひと時です。
今夜楽しませてくれるお酒は、
いつもの小川酒店さんからお勧めいただいた
滋賀県高島市にある上原酒造の『不老泉』。
なんとも勢いのある字のラベル。
かっこ良く思えてしまいます。
ここ上原酒造はすべてのお酒を
木槽天秤搾り(きふねてんびんしぼり)という技法で
造っておられる全国でも非常に珍しい酒蔵だそうです。
このやり方は効率的には良くないらしいのですが、
酒の質を追求していくとやめられないのだとか。
そんな話を知ると期待が大きく膨らみます。
「とっても楽しみ。」![]()
器 井戸釉 徳利
今夜このお酒を頂くのはこの井戸釉徳利で。
かなり渋い通好みの徳利。
表面がとっても味わい深い当陶房のこの徳利の
名前の「井戸」は、お茶の世界で珍重されている
「井戸茶碗」からきています。
この雰囲気を侘び寂と感じ喜ぶか、
単なる汚れと感じるかは人それぞれ判断が
分かれるところ。
でも私はこんな雰囲気が大好き![]()
やっぱり私の好みってマニアックなのかな。![]()
器 粉引 盃
盃の方はこの粉引盃。
この柔らかい白色の風合いは今や焼物好きの定番。
高台は一気にざっくりと削っています。
見込みはすっきりとした土味に仕上がっています。
今回はこの徳利と盃の組み合わせで頂きます。
家内からは「渋い組み合わせね。」っと一言。
さて今夜の酒の肴はとっても新鮮な鳥の刺身。
器 緑釉 平鉢
(拡大できます)
この刺身の鶏肉は地元の方々にも他の方々にも
とっても人気の信楽町江田にある
『秋田かしわ店』のもの(むね肉)。
信楽に観光に来られた帰りには必ずこの店で
鶏肉を買って帰られるお客様も多いという
知る人ぞ知る信楽の名店の一つです。
見るからに美味しそうで新鮮な鳥の刺身。
私は信楽に来てここの鶏肉を食べ
初めて鳥の刺身の旨さに感動しました。
もちろん他の部位の鶏肉も新鮮でとっても美味しい
信楽のお勧めのお店の一つです。
器 黒釉 指筋紋鉢
(拡大できます)
刺身を造って余った皮などの肉はネギと一緒に
焼き鳥にします。
このような一品も酒のアテにはたまりません。
さあこのような酒の肴で『不老泉』を頂きます。
と思いきや家族の者が次から次へと目の前の物を
口へ運んでいきます。
あわてて私も生姜醤油の入った小皿に
私の分の鳥の刺身を確保しました。
徳利から盃にお酒を注ぎ入れ
刺身をつかんだ箸を口に運び
その手ですかさず盃を口にやります。
「うん旨い
」
口の中でこの余韻を楽しみます。
鉢の中の物が半分ぐらいになり
今度はこのお酒を少し燗にしてみます。
「おおっ 旨味が増している。」
このお酒、冷酒にしても常温でももちろん
美味しいのですが
私は燗にして飲むのが気に入ってしまいました。
器 渋紙手 平鉢
(拡大できます)
刺身と焼き鳥をひとしきり楽しんだ後に
家内が厚焼卵を焼いてくれました。
普段は弁当のおかずでもこれはこれで十分に
お酒の友になります。
なんかちょっとした贅沢な気分。
さて私がまだ酒の肴で一杯やって楽しんでいる横で
家族の者は早々にデザートを楽しんでいました。
器 青灰釉 取皿
(拡大できます)
とってもシンプルな春の彩りのバームクーヘン。
話によると買い物に行った時にそこのスーパーで
どこか有名な洋菓子屋さんが
焼きたてのバームクーヘンを売りに来ていたそうです。
砂糖少なめの生クリームとイチゴをのせ、
美味しそうに食べている
家族の姿を見ていると何とも気になります。
「みんな私の分は残してあるんだろうな。」
と心配しつつもまだまだ春の宵の一杯を
楽しんでいます。
お知らせ
2009/5/2(土)から5/5(火・祝)まで
信楽町内外の陶芸家たち(約80名)による
春の陶器市を開催します。
会場
滋賀県立陶芸の森 太陽の広場
TEL 0748-83-0909
秀山陶房も出店しますので
ぜひお越しください
![]()

おはようございます。
古田織部が好みそうな、新緑をイメージする鮮やかな緑の鉢ですな。
昔の茶人は、やはり自然や季節を素直に受け取る感性があり、それを茶碗や食卓で上手く表現したのでしょうね。
現代には情報が溢れすぎ、歪んだ感性が横行しております。
それはそれで面白みがあるのですが、私はたまたま縁あって住んでいる滋賀、今や合併によって同じ街になった「信楽」の自然や風情が、色々なものを与えてくれるように思います。
投稿: 鹿乃山秀水 | 2009年4月26日 (日) 07:38
鹿乃山秀水さん、コメントありがとうございます。
私も縁あって京都から信楽に住むようになって
改めて自然の風合いや風情を意識するようになりました。
秀水さんのおっしゃられるようにそういったものから


こちらの方がきずこうがきずくまいが
色々なものを与えられているんだと思います。
これからの時代、そういった自然や季節を素直に受け取る感性が非常に大事だと思う今日この頃です。
投稿: 紫香楽 秀山 | 2009年4月26日 (日) 23:46
こんばんは~~~
写真を撮っている間に、どんどん食べられてしまっている、ありますあります、我が家でも!
秀山さんのブログを見ていると、お酒が本当に美味しそうに感じます。飲めないのが本当に残念になってくるくらいですよ~
徳利などの秀山さんの素晴らしい作品もそう思えてくる主因か
とも思っております。
投稿: くま先生 | 2009年4月27日 (月) 02:57
くま先生、おはようございます。
何とも嬉しいことをおっしゃって頂き本当にありがたいです。

でも家内に言わすと私の食い気が
酒器にあらわれているんじゃないかと言われるんですよね。
意識していないとついついたっぷりと入ってしまう徳利を造りがちなので、いつもお客さんにからかわれてしまいます。
自分としては小さな徳利でやるよりも少し大きめの物の方が゛

飲んでて豊かな気持ちになるように思うのですが。
投稿: 紫香楽 秀山 | 2009年4月27日 (月) 05:59
器の表面のゴツゴツした感じが手作りらしくてすばらしいです。
鳥の刺身からケーキまで見事なフルコースがとても合います♪
投稿: 京都ふらり | 2009年4月28日 (火) 07:53
京都ふらりさん、おはようございます。
我が家の欲望にまかせただけのフルコースなので何ともお恥ずかしいのですが、

器で何とか何とかごまかして楽しんでいます。
基本的に洋食器が少ない我が家、おのずと当陶房の器を使ってしまうのですがケーキのお皿もその一例。
お客様が来られた時などこのようにお出しすると



意外にも新鮮に喜んでくださいます。
投稿: 紫香楽 秀山 | 2009年4月28日 (火) 09:07
おはようございます
きっと、秀山さんの奥方からは
たまごやきのいいにおいがしますね!
殿からはやはり美酒でしょうか。
投稿: futaba | 2009年4月28日 (火) 09:41
とり刺しがなんとも美しい色で
見た目からも美味しさが想像できますね。
それにしても、器がいいですね、
平鉢も取皿も色が深くて、食材が幸せですね。
投稿: 夢八 | 2009年4月28日 (火) 17:40
futabaさん、こんばんわ。
毎日騒がしい我が家の三人の子供達にふりまわされている日々の中、なかなか風流な生活とはいかないもの。

私たち夫婦にとってちょっと一杯やるときや、



美味しい和菓子でお茶を飲むときがささやかな幸せな時間。
またfutabaさんのところの美味しい和菓子が食べたいです。
投稿: 紫香楽 秀山 | 2009年4月28日 (火) 20:20
夢八様、コメントありがとうございます。
昔、田舎の方ではなんか特別な日にみんな集まったらどこの家でも買っている鳥をさばき鶏のすき焼きや刺身なんかをして楽しんでいたことをよく聞きます。
今でこそ信楽はすき焼きと言えば近江牛と言う事になっていますが、ちょっと前まではやはり鶏肉だったようで、ここ『秋田かしわ店』の鶏肉の美味しさはそんな信楽の食文化の現れなんですよね。

今私は、そんなノスタルジックな鶏のすき焼き用の土鍋を考案中です。
投稿: 紫香楽 秀山 | 2009年4月28日 (火) 20:42
秀山さん、こんばんわ。
やきとり君ではありますが、牛も鶏も魚も焼いてないのも大好きなんです。
いっつも同じ話で変わり映えしませんが、酒と酒肴と器と、持ちつ持たれつ、引立てあって素晴らしい、しかも全部地元産。
信楽って、滋賀って、楽しそう。
投稿: やきとり君 | 2009年4月28日 (火) 22:30
やきとり君、おはようございます。
最近つくづく思うのですが関東方面へ仕事で行き、
向こうのお客様と話をするとまだまだ滋賀県のことはあまり知られていないなと感じる事がよくあります。
皆さん琵琶湖のことは頭の中にあるようなのですが、滋賀県のことになると。
と言って私も他府県のことはあまり知らないのですが、


今後も滋賀県や信楽の良いところを器を通して紹介できればと思っています。
投稿: 紫香楽 秀山 | 2009年4月29日 (水) 04:58